00 卓上RPG全般の記事リスト

今回は、「ドラマ作成ポイント」を採用したルールシステムのデザイン例を示します。前回示したものとは異なる「予断の内容の不一致」対策も組み込んでおります。ここではプレイヤー用ルールのみ、名前はまだ無い。

誰が誰に首ナイフするのか」で述べた「ルールと予断との不一致」は、「ドラマ作成ポイント」を採用したルールシステムでは生じません。しかしながら、そこでは別の「不一致」が生じ、より重篤な問題を起こす恐れがあります。以下、起こりうる問題とそれへの対策について述べます。「首ナイフ」というよりはルールデザイン論。

前回予告した通り、今回は「首ナイフ」における「常識の不一致」について考えます。より正確には、自分が「常識」と思っていた「予断」が、他の者が「常識」と思う「予断」とは、一致しなかった場合について。

まず、「予断」と「常識」、そしてルールシステムとの関係を示します。

「声の大きい」即ち「多数派の」意見は、しばしば「常識」(Common Sense)と称されます。「常識」とは、ある人々に共有される(common)認識(sense)のことで、必ずしも「正しい」とは限りません。「首をナイフで切られたら、頸動脈などの急所が傷つけられて、即死する」というのも、間違った「常識」のひとつです。

前回の続き。かつて新和社から和訳出版された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Classical Dungeons & Dragons、以下CD&D)、特にそのベーシックルールを用いて、命題「首ナイフ」(首ダガー)を考えてみます。関連するルールシステムは、次の通り。

金色老子さんからトラックバックをいただきました。有難うございます。

そもそもそういう世界観で起こりにくいことは事前にルールで決められていない。(作者も考えてもいないだろう)

CoCでも世界観的には首ナイフ云々よりサクッと死んで欲しいのではないだろうか。または別の死に方か。

銀河アズマさんのブログ記事「TRPGこぼれ話#276~TRPGを一言で説明しなさい~」を拝読。以下に一部引用。

TRPGが閉じたコンテンツ感拭えないのは一言でどんな遊びが説明できないから

この世の中に「一言で説明」できていることが何かあるのか、いささか疑問ですが。できないとか難しいとか言われると、やってみたくなります。私なりに「TRPGを一言で説明」すると、まずは次の通り。

警告。今回述べる「虚構」三論考三本目は、「宗教」論。難解かも知れませんが、蓋し不言言之。

人は「宗教」無しには生きられません。人は「善」「悪」の価値観に則って生きており、それら価値観を与えるものが「宗教」ですから。さもなくば人は、「何をしたら良いのか分からない」のです。仏教やキリスト教など「狭義の宗教」を信じない者も、何かを「宗教」とし、何かを「善」「悪」と信じて生きています。何を信じるのであれ、それを「宗教」とわきまえないと多大な害悪を及ぼします。

TRPGはゲームですよ、もちろん。当たり前でしょ?

TRPGのゲームプレイにおいて「皆が楽しい」ことが望ましい、と語られることがあります。しかしながら「皆が楽しい」という状態は、「実態」(Reality)が無い「虚構」(Fiction)です。「虚構」だからといって否定されるべきではありませんが、「虚構」を「虚構」とわきまえずに扱うと多大な害悪を及ぼします。

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