- 2010年05月20日 23:22 : 卓上RPGデザイン論
- 2010年05月20日 23:28 : 広義の「行為判定」
- 2011年05月02日 22:00 : 失敗か事故か、成り行きか
- 2011年05月09日 22:58 : 想定外を想定すること
- 2011年05月18日 23:10 : 『北斗の拳』に見る三種類のドラマ
- 2011年06月01日 21:13 : 卓上RPGに見る三種類のドラマ
- 2011年07月13日 23:12 : 判定ルールとシナリオ作成
09 卓上RPGデザイン論
いわゆる「行為判定」のルールシステムとは、狭義にとれば、行為の成否を判断する処理手順を指します。サイコロを振って技能値以下を出す、能力値にサイコロの出目を足して難易度以上を出す、技能で指定されたスートと同じカードを出す、などなど。
しかしながら、これを広い意味で考えるなら、次の三つの段階にまで広げることができます。キャラクターがある状況に置かれた時、そのプレイヤーは...。
何であれ行為をすれば、好ましい結果が得られることがあれば、好ましくない結果に至ることもあります。仕事や受験、交渉であれスポーツであれ、あるいは原子力発電所の運用、更には卓上RPGのゲームプレイにおいても。
このような結果の違いをどのように評価するか、には三通りの方法が考えられます。
先の論考「失敗か事故か、成り行きか」で触れた、「想定外を想定する」ということについて、具体例を幾つか挙げます。難しいことではありませんし、誰もがしばしば行っていることですが。
「ドラマ」とは、演劇をはじめとして、劇的な展開を生み出すあらゆるものを指す語です。小説やマンガはもちろんのこと、スポーツや現実の事件などにも用いられます。卓上RPGのゲームプレイも、その結果が劇的であれば、「ドラマ」の一種となりえます。
この論考では、「ドラマ」を構成する三つの要素「ワールドセッティング」「キャラクター」「シチュエーション」について考察します。これら三者は常に共存するものですが、三者のどれが優勢となるかによって「ドラマ」の性格が変わります。
論考「『北斗の拳』に見る三種類のドラマ」で挙げた、「ワールドセッティングの上のドラマ」「キャラクターの間のドラマ」「シチュエーションの中のドラマ」の三者は、卓上RPGのゲームプレイにおいても語ることができます。もちろん卓上RPGは、小説やマンガ、映画などとは異質な構造を持ちますから、そこに生じる「ドラマ」もまた別物です。
先の論考「『クトゥルフ神話TRPG』非模範的相談室」の捕捉を兼ねて、また「遊び方」(遊戯法)の部分的実例として、判定ルールに合わせてシナリオを作ることについての考察をまとめます。
卓上RPGのルールシステムの内、キャラクターが試みた(一回の)行動が「上手くいったか否か」を決める手順を、ここでは「判定ルール」と呼びます。サイコロを用いるもの、カードを用いるものなど、判定ルールは多種多様ですが、その性格から次の三つに分類できます。
- 成功か失敗かに分ける判定ルール
- 成功の度合いを決める判定ルール
- 得意なら必ず成功する判定ルール
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