金色老子さんのsystemにおける首ナイフ

金色老子さんからトラックバックをいただきました。有難うございます。

そもそもそういう世界観で起こりにくいことは事前にルールで決められていない。(作者も考えてもいないだろう)

CoCでも世界観的には首ナイフ云々よりサクッと死んで欲しいのではないだろうか。または別の死に方か。

私の考察と語彙で申しますと、「ルールシステム」(Rule system)は必ず、ゲーム内世界に対してゲームデザイナーが抱く「世界観」(World view)に基づいてデザインされています。「ゲームデザイナーの世界観」は「ルールシステム」をそのまま運用すればゲームプレイに自然と反映されるのであって、「ルールシステム」と食い違うような「世界観」は解釈を誤っている、と考えます。

「首ナイフ」とは、「ルールシステム=ゲームデザイナーの世界観」と異なる「世界観」をゲームマスターやプレイヤーが「常識」などと称して持ちこんだ場合、どちらを優先させるか、という問いです。「ゲームデザイナーの世界観」を尊重し、ゲームマスターもプレイヤーも平等に「ルールシステム」に従え、が答えのひとつ。必ずゲームマスターに従え、が「ゴールデンルール」式回答。

さて、金色老子さん作『system』では、ドラマ作成ポイントともいうべき、プレイヤーの「行動ポイント」とゲームマスターの「障害ポイント」との駆け引きから、キャラクターの行為の結果などが導き出されます。そこに「ゲームデザイナーの世界観」は関与しませんから、通常の「首ナイフ」は成立しません。しかしながら、以下のような「首ナイフ」なら、類似する命題として生じます。

あるキャラクターが首ナイフされた場合。プレイヤーは「即死しない」というか「させない」ように「行動ポイント」を用い、ゲームマスターは「首ナイフで即死する」として「障害ポイント」を用いた。どちらも自分の「世界観」を譲ろうとしないなら、ゲームプレイはどのように進展されるべきか?

ポイント次第ならば、初期値を決める者が強い権限を持つことになります。あるいは、揉めたならポイントに関係なくゲームマスターが決める、か。いっそ、サイコロで勝敗を決する、か。既に解決されていることを私が理解していないのかも知れませんので、ご指南を乞う。

なお、「首ナイフ」は適用可能な「ルールシステム」がある場合の命題で、それが無い場合の命題としては「粉塵爆発」があります。後者は「ルールシステムの下の平等」では解決できませんから、私などは本当に困ります。

ついでに次回、古い版の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(CD&D)における「首ナイフ」について論じます。「ルールシステムの下の平等」だけでも解決済。