CoC7考(7) CoC7における首ナイフ
『クトゥルフ神話TRPG』(CoC)の最新版『Call of Cthulhu RPG 7th edition』(CoC7)のルールシステムについて、あれやこれやと考えたことを書いてまいります。その7回目は、追加で「CoC7における首ナイフ」について。
いわゆる「首ナイフ」とは究極、「思い込みとルールとが食い違う場合、どちらを優先するか?」という論題です。が、ここでは状況としての「首にナイフを当てた状態からのダメージ」のみを扱います。ルールは「最初の一撃(奇襲)」(CoC7, p.106)を適用。旧版CoCの「奇襲」(p.67)とは少し違います。
- 攻撃側が「隠密」に成功するか、防御側が「目星」「聞き耳」「心理学」に失敗したなら、奇襲が成立
- 奇襲での攻撃は、完全失敗(Fumble)以外は命中とするか、ボーナスダイス1を得て対抗判定を行う
- 防御側は、拘束等がなければ、戦闘ラウンドの最後に行動。次のラウンドからは通常の戦闘となる
「首ナイフ」なら、「完全失敗以外は命中」で良いでしょう。防御側の耐久力を11ポイントとすれば、1回のダメージが5以下なら軽傷、6以上なら重傷、11以上なら即死です。以下、「db」はダメージボーナスの略。
- 技能25%の小型ナイフ1D4+db 0なら、軽傷91%、重傷4%、即死0%
- 技能50%の小型ナイフ1D4+db 0なら、軽傷91%、重傷8%、即死0%
- 技能25%の中型ナイフ1D4+2+db 0なら、軽傷67.5%、重傷24.5%、即死3%
- 技能25%の小型ナイフ1D4+db1D4なら、軽傷56%、重傷36%、即死3%
- 技能50%の中型ナイフ1D4+2+db1D4なら、軽傷17%、重傷72%、即死10%
- 技能90%の中型ナイフ1D4+2+db1D6なら、軽傷10%、重傷61%、即死28%
軽傷だけなら何度か刺されて耐久力が0に至っても、CoC7では死にません。「首をナイフで切れば一撃で即死」とはドラマの中だけの話ですから、CoC7のルールはかなり現実的ではなかろうか。むしろ問題は正気度(SAN)で、0/1D6減少は固いでしょう。