CoC7考(2) 判定はどのように整理されたのか
『クトゥルフ神話TRPG』(CoC)の最新版『Call of Cthulhu RPG 7th edition』(CoC7)のルールシステムについて、あれやこれやと考えたことを書いてまいります。その2回目は、「判定はどのように整理されたのか」について。
旧版CoCにおける行為判定ルールは、能力値と技能値とで、次のように異なっていました。
- 能力値による通常判定:能力値を何倍かしてD%(能力値ロール)。何倍するかで難易調整
- 能力値による対抗判定:抵抗表で双方の能力値を照らし合わせてD%
- 技能値による通常判定:技能値でD%。プラスマイナス何%かで難易調整
- 技能値による対抗判定:技能値でD%し、各々の成否を比較する。※比較基準がいまいち不明瞭
前回述べた通り、CoC7では能力値を旧版の5倍とし、技能値と同じくすることで、行為判定が次のようにまとめられました。
- 能力/技能値による通常判定:三つの難易度のどれかでD%。失敗なら無理押し判定(Pushed Roll)も可能
- 能力/技能値による対抗判定:D%して、成功度を比較。ボーナスダイスとペナルティダイスで難易調整
三つの難易度(=成功度の内の三つ)である「能力/技能値」「その1/2」「その1/5」は、能力値ロールにおける「5倍」「2.5倍」「1倍」に相当します。能力値を技能値と同じく「D%系」とすることで、両系の行為判定ルールを融合し、憶えなくてはならないことを減らした、と私は解釈しております。また、能力値を何倍するか、技能値に何%の修正を与えるか、一々キーパー(ゲームマスター)が決めなくてよくなったのも、大きな改善です。
これら行為判定がどのような時になされるべきか、CoC7では示唆されています。それについて次回示します。