「西部劇」用参考資料とゲオマキナ

汽動重機ゲオマキナ」の世界設定を、BRPの23世界設定のひとつ「西部劇」に基づいて作成することとしました。今回は、「西部劇」の参考資料を紹介します。解説書、小説、映画と、最近購入したものばかりですから、すべてに目を通したわけではありません。

解説書
高平鳴海『図解 フロンティア』(F-Files No.042、新紀元社2014)
高野一良『アメリカン・フロンティアの原風景』(風濤社2013)
ロズリン・D・ヘインズ『図説 砂漠と人間の歴史』(シリーズ 人と自然と地球、原書房2014)
バーバラ・M・ウォーカー『大草原の小さな家の料理の本』(文化出版局1980)
本間千枝子・有賀夏紀『世界の食文化12 アメリカ』(農山漁村文化協会2004)
小説
ロバート・B・パーカー『ガンマンの伝説』(早川書房2008)
スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ』(早川書房2008)
スティーヴ・ホッケンスミス『荒野のホームズ、西へ行く』(早川書房2009)
映画
『西部劇大全集1』...『荒野の決闘』(1946)『怒りの河』(1951)など10本組
『西部劇大全集2』...『駅馬車』(1939)『シェーン』(1953)など10本組
『リオ・ブラボー』(1959)
『プロフェッショナル』(1966)
『ワイルドバンチ』(1969)
『レッド・サン』(1971)
『ペイルライダー』(1985)
『ワイルド・ワイルド・ウエスト』(1999)
『ワイルド・レンジ』(2003)
『アパルーサの決闘』(2008)

「西部劇」の概略を掴むには、多くの資料を簡潔にまとめた労作『図解 フロンティア』に頼ります。専門家が自ら書いたのではない、「又聞き」ならぬ「又書き」には注意が必要ですが、参考文献が示されていますから確認もできます。読み易く、入手もし易いので、他人に安心して薦められる良書です。

前回述べた通り「アメリカ西部開拓時代」をそのままでは使いませんが、知っておいて無駄にはなりません。『アメリカン・フロンティアの原風景』には先住民と植民者との間に生じたことについて、『図説 砂漠と人間の歴史』には砂漠という舞台について、『大草原の小さな家の料理の本』と『世界の食文化12 アメリカ』には食文化について示されています。それらの「感覚」は、ゲオマキナの世界設定にも活かすことができそうです。

西部劇の小説は、日本語で読める作品は、意外と見つかりません。パーカーには、映画『アパルーサの決闘』の原作小説もありますが、文庫化はされていません。ホッケンスミスの小説は、西部劇としては異色ですが、ミステリーも好きな私にとっては嬉しい作品です。異色作ゆえか、手がかりを探して潜り込む場面描写も面白いです。異色といえば、R. E. ハワードが蛇人間と戦うガンマンの話を書いていたなぁ。

映画は安いので、つい買ってしまいます。『西部劇大全集』は、3は買ってませんが、一作あたり160円くらいですからね。他のも1000~1500円くらい。観てて思ったのが、意外とドンパチが派手ではありません。いや、撃ちまくる場面はあるのですが、現代物に比べて装弾数が少ないためか、乱射するほどではないような。ひとつひとつの場面から得られる感覚、それをどのようにゲオマキナの世界に落とし込んでいくか、鑑賞と作業の両方を楽しんでいます。

さて、「ゲオマキナ」(Geomachina)はラテン語です(英語だとジオマシン)が、「Geo-」はギリシャ語の「地」である「ゲー」、ギリシャ神話の女神「ガイア」に連なります。なんとなく決めた名前でしたが、せっかくなのでギリシャ神話も利用できないか、と考えました。

ギリシャ神話関係
アポロドーロス『ギリシア神話』(岩波文庫1978)
ヘシオドス『神統記』(岩波文庫1984)
呉茂一『ギリシア神話(上)』(新潮文庫1979)

固有名詞などを活用したいところですが、神話そのものを世界設定に組み込むのも面白そうです。

「巨大ロボット+西部劇+ギリシャ神話」という構図から、更に空想をたくましくしてデザインした世界設定について、次回から紹介してまいります。