消費増税は、どこが愚策か
昨日、安倍晋三総理大臣が消費税を来年4月に8%に上げることを表明しました。アホか。
何がアホかいうと、敵に利する行為をしたことです。今後、彼に対立し、彼を非難するすべての者に、「国民生活を守るため」という旗印を与えてしまったのですから。私の知っている中でも、喜びそうな者がいます。「ほらみろ、やはりあの首相は国民を苦しめる邪悪な政治家だったのだ、その証拠に消費税を増やすではないか」などと。
もっとも、その辺を理解できないほど頭が悪いとは思えないというか思いたくないし、これまでの実績とも矛盾する。何らかの取引があったのかも知れません。例えば、東北復興を人質に取られた、とかの希望的憶測。
実のところ私個人の生活は、消費税が8%になろうが10%になろうが20%になろうが、あまり変化しません。買う物は買う。青物野菜が値上げされようと、1050円の料理が50円値上げされようと、喰いたければ喰う。ただ、その差額のせいで経営が苦しくなる方もいるでしょうし、多分私の職場もそうなります。テレビや新聞のように不安や恐怖で飯を喰っている輩は、僅かな値上げでも消費者にとって死活問題のように大騒ぎするしなぁ。
それでも現政権の、今後の手腕発揮には期待せざるを得ませんが、果たしてこの愚策を挽回できるほどの策は...無くは無いな。駆け込み需要をいただいた後で、「やっぱり増税はやめた」とか。
本当に+3%増税するなら、給料も最低3%は上がらないと不満が広がるわけです。あ、「給料が上がらない」というのは虚構(Fiction)で、正しくは「給料を上げる権限を持つ者が、給料を上げない」でした。ある人間の、やるやらないの問題。
戦後の焼け野原から日本を発展させてきた世代は、つまり右肩上がりしか知らない世代は、いざ窮地に追い込まれると他を犠牲にして保身に走る、かも知れない。我々はそうなってはいけないが。