ゲオマキナの操縦者 : 操腕士

先の「ゲオマキナのデータ運用」で示した操縦手順を、各役割ごとに詳述します。今回は、「操腕士」(Pilot)について。

操腕士は、大抵はゲオマキナの胸部にある腕部用の操縦室(操腕室)で、「操腕判定」を担当します。操腕士にとって重要な技能は、「ゲオマキナの操縦(Pilot: Geomachina)」です。「操縦(Pilot)」は三次元性を意識すべき乗物のための技能、と解釈し、操腕判定に用います。

6. 操腕判定
操腕判定は、ゲオマキナの左右の腕部を操作して、武器による攻撃や盾による防御、また先端の手指を使って作業を行う判定です。各作業の必要出力を消費した上で、「ゲオマキナの操縦(Pilot: Geomachina)」技能から、用いる腕の制動修正を引いた値で判定します。
武器攻撃は、腕部に装着された武器で「距離1 (Range 1)」にいる対象(敵機や障害物)にダメージを与えます。武器は大抵、槍の穂先のような形で、蒸気圧で伸びて相手を突き刺します。成功したら、命中部位を決め、そこにダメージを与えます。(操脚士の)操脚判定の重心移動に成功していれば、ダメージ修正を追加します。失敗したら、攻撃は外れたことになります。
相手の機体重量(SIZ)が自機の重量(SIZ)の2倍よりも大きければ、成功率は20%増えます。逆に、相手の重量が自機の1/2より小さければ、成功率は20%減ります。(Big and Little Targets、BRP p.215)。この修正は、他の修正の最後に行ないます。
命中部位(Hit Location)を決めるには、20面体サイコロ(D20)を振ります。出目が1~4なら右脚部、5~8なら左脚部、9~11なら腹部、12なら胸部、13~15なら右腕部、16~18 なら左腕部、19~20なら頭部に命中します(BRP p.190)。特定の部位を狙うには、成功率を1/2にして判定します(BRP p.213)。
武器攻撃のダメージが盾および命中部位の装甲を超えた場合、超えた分だけ、その部位の耐久力かその部位に乗っている者の耐久力を減らします。部位の耐久力が0以下になれば、その部位が動かなくなるか、装甲が0になります。部位の耐久力と同じだけのマイナス値になれば、その部位は破壊されます。
盾防御は、腕部に装着された盾を動かして、近接した敵からの攻撃や敵砲弾から自機を守ります。的確な角度で盾を当てれば、盾固定よりも多くのダメージを避けることができます。成功したら、盾の装甲分のダメージを打ち消します。(操脚士の)操脚判定の重心移動に成功していれば、ダメージ修正を追加します。失敗したら、まったく防御できなかったことになります。
盾固定は、腕部に装着された盾を、あらかじめ特定の部位に配置しておくことです。必要出力は実質0ですが、ダメージ修正の六面体サイコロ(D6)がすべて3であった場合の値分しかダメージを打ち消すことはできません。また、盾固定には重心移動による修正も得られません。
手指操作は、武器や盾を用いず、腕部の先端の指によって作業を行います。成功したら、その作業は上手くできたこととなります。失敗したら、できなかったこととなります。作業に筋力(STR)が要求される場合は、使用する腕の必要出力と同じSTRが出せるものとします。

操腕士は、「指揮官」を兼ねることができます。機体によっては「操脚士」と同じ部位にいることもありますが、両方を兼任することはできません。

操腕室は胸部にあり、周囲を装甲で覆われています。胸部に命中した攻撃のダメージが装甲を超えた場合、超えた分は胸部の耐久力か操腕士の耐久力、(もしいれば)操脚士の耐久力に振り分けられます。どのように振り分けられるかは、操腕士が(いれば操脚士も)決めます。

操腕士は、鎧を着ていて構いません。

近接後のゲオマキナ同士の戦いでは、操腕士が花形となります。ただし、相手に致命傷を与えるには、操脚士(重心移動によるダメージ修正)との連携が不可欠です。