Metsys空想 (13) 怒り天を衝く時!の巻
(12)のつづき。
- PL3(血に飢えた野蛮人)
- ほれ、コーヒー。お前らの分も淹れてやったから、飲め。どうなった?
- PL2(失われた小人族の狩人)
- ありがとう。某三部作の映画のオープニングみたく魔王がァチチ。
- PL1(古き血の剣士)
- やりたい放題だ。
- GM(ひとつの指輪の魔王)
- 君らもやりたい放題したまえ。さて、ここから演技。この魔王に依頼するとは肝の太い老婆よ!あ、お姉ちゃん、ビールもう一杯とツマミ、これとこれとこれね。うん、その望み叶えてくれる!と、ここまで演技。けど、どうしようかな。PL3さ、行方不明になった場所とか、もうちょっと描写ないの?
- PL3
- そこで酒場に蛮人登場。イベントに乱入。「うむ、聞いたことがある。子供たちをひきつけ、かどわかす妖魔の噂を。そして彼奴らが棲まう魔の森を!」と、やりたい放題する。
- PL1
- 待て、それ良いのか。PL3が自分で書いたイベントだろ。
- GM
- 未解決のイベントなら誰でも参加できる。と、言ったような気がするので、良いのではないか。うん、そういうこととする。
- PL2
- 遊ぶ都合に合わせてルールを作ってるなぁ。
- PL3
- 妖魔の森に消えた孫を助けてくれる勇者を求め、場末の酒場に入り込んだ老婆。酔漢に押され、こづかれ、倒れかけた彼女を支えた救世主。涙ながらに訴える哀れな老婆に救いの手を差し伸べたのは、血に飢えた野蛮人と、
- GM
- 魔王です。すいません。
- PL2
- まざりたいけど、しばし見守る。
- PL1
- 本当にこんなんでいいのか。
- GM
- 「構造」通り、「構造」通り。
- PL1
- 「構造」なんか、どこにも示されていないじゃないか。
- GM
- あらゆるところに、すべての背後に、常に「構造」が存在する。ただしMetsysのデザインコンセプトとしては、「構造」を知ることができるのは魔人クロード・レヴィ=ストロースのみ!これが「構造主義」だああぁあ!(ドジャアア~~ン)
- PL2
- 最後の音だけで、「構造主義」が新手のスタンドみたいになってきた。「構造を読み取る能力」ッ!
- PL3
- 本家「System」的には、敗北宣言のようなデザインコンセプトだがな。
- GM
- GMのお仕事として、コモンシーン「妖魔の森」を追加。ここは、孫を見つけるまでは「街の酒場」に戻れないこととする。イベントカードよろしく。
- PL2
- 次々シーンを作られても、イベントカードが足りないよ!
- GM
- 採用。
シーンカードイベントカードを全員にあと3枚...、20枚ずつ追加する。 - PL2
- やた!
- PL1
- 下手にルールを変えると、バランスが...。
- GM
- 現行のルールのせいで楽しめないなら、ゲームは「楽しむため」に遊ぶのだから、楽しめるようにルールを変えるべきだ。与えられた複雑なルールや大量のデータをその通りに暗記して、効率的に駆使できるよう努力するのが楽しい、というのも理解できるがね。それを「苦行」と感じる者もいるだろうよ。
- PL3
- ルールやデータの上手な使い方など、結局はデザイナーが事前に用意したものだからな。だが、それが「消費」というものだ。
- PL2
- 「プレイヤーが予定通りに行動しないと楽しめない」なら、どんなゲームにでも「ハンドアウト」や「今回予告」などを導入すれば楽しくなるね!
- PL1
- キャラクターではなくプレイヤーなのだよな、だが黙れ。こちらも魔王とPL3に負けていられないので、え~と指輪がどこにあるかを知らねばな。PLのお仕事として、シーン「占い小路」を作成。これ、コモンでいいかい?
- GM
- いいよ。プレイヤーが好きに決めていいよ。
- PL2
- 徐々にGMの仕事を減らしてる。けどシーンが増えたら、そこに登場される前にイベントカード置くしかないよね、PLのお仕事として。ほれ、3枚。
- PL1
- 早過ぎるよ。1枚めくる。「悪夢から生まれた夢魔(肉体を持たない)に襲われる」か。
- PL3
- 剣が通じぬ敵か。卑怯なイベントだ。どう切り抜ける?
- PL1
- プライベートアクション覚醒!「想念の剣で、形無きものを斬る」!!解決。
- PL3
- 卑怯なアクションだ。
- PL2
- 「口プロレス」ってあったよね。この場合は、数値を使わないからルールを曲げてないし、カードをリソースとして消費しているけど。
- GM
- いわゆる「口プロレス」であれ何であれ、誰かが「つまらない」と主張する遊び方であっても、工夫すれば楽しめるようにできるのだから、切り捨てるべきではない。私が本心から「つまらない」と思うゲームプレイを、「面白い」と言う人だって沢山いるのだし。
- PL1
- 何事にも、長所と短所の双方を見出すべきだな。System然り、FEAR然り、馬場理論然り。
(14)につづく。