参考 : 最初に憶える大切なルール
あるものの特徴を見極めるためには、それと似て非なるものとを比較するのが有効な手段です。
FEARの「ゴールデンルール」と似て非なるものとして、『ソードワールド2.0』(SW2.0)の「最初に憶える大切なルール」(ルールブック1、p.17~18)があります。両者を比較するのは、どちらを理解するためにも有意義です。
以下、グループSNE版「ゴールデンルール」とも言える、その全文を引用します。
- 最初に憶える大切なルール
- TRPGは、参加者全員で楽しみ、自分たちだけの物語を作り上げていくゲームです。このゲームを楽しむために必要な、もっとも基礎的で重要なルールをここに記載します。
- 全員が守ること
- TRPGは、プレイヤー同士が競うものでも、プレイヤーとGMが戦うものでもありません。積極的に、「みんなで楽しもう!」という気持ちを持ってください。
- プレイヤーが守ること。
- プレイヤーはGMの指示に従ってください。GMも間違うことはあります。その指摘をすることは構いませんが、最終的にはGMの決定に従わなければなりません。
- GMが守ること
- GMは、常に公平さを心がけなければなりません。GMは最終的な裁定やルールを決定する役割を担います。参加者全員が楽しめるよう、適切にルールを運用し、公正な裁定を行ってください。
- GMの権限
- ルールの決定 / ゲーム中、どのルールを用いて判定を行うかは、GMが決定します。もしルールブック内の記述だけでは対応できない状況となった場合、GMが判断して裁定を行ってください。その場合も、場が盛り上がるように考え、判断してください。
- 結果の棄却 / GMが許可していないのにプレイヤーがサイコロを振った場合、GMはその結果を却下したり振りなおさせて構いません。
- セッションの進行 / GMは常にセッションを進行させる権限を持ちます。キャラクターの行動によってシナリオで想定していない事態に陥ったり、進行から脱線してしまったりしてしまった(原文ママ)とき。あるいはプレイヤーが手詰まりになって進行が停止してしまったとき、GMは独自の判断でセッションを進行させ、状況を変化させたり、ゲーム内の時間を進めても構いません。
- ルールを間違えたときの処理
- もしルールの間違いに気付いた場合、以後間違えないよう注意しましょう。ですが、それ以前にさかのぼって間違いを正す必要はありません。時間を巻き戻すのは混乱のもととなり、ゲームを停滞させる原因になるからです。
- どのような場合であれ、最終的な決定はGMが行います。なるべくプレイヤーに不利益が発生しないよう、公正に裁決しましょう。
- そしてみんなが楽しくスムーズに遊ぶためにも、なるべく全員がルールを正しく把握するように努め、本書をよく読んでおいてください。
上記「最初に憶える大切なルール」には、次の三つの特徴が見出せます。
- 「ゲームマスター主導」の遊び方を指向している。
- ゲームマスターはルールシステムより下位にある。
- シナリオの想定から外れる事態に注目させている。
各特徴についての考察と、「ゴールデンルール」との比較については、次回の記事にて行います。