Trail of Cthulhuの恐怖と狂気
Trail of Cthulhu(ToC)に特徴的なルール運用の解説。4回目は、「精神安定度」と「正気度」とによる恐怖や狂気の処理について。
「探索者」が殺人や事故に関わったり、怪物と遭遇したりして、精神的なダメージを受けた場合には、「精神安定度」能力による「一般行動」として判定します。この判定をここでは、「精神安定判定」と呼びます。
精神安定判定は、「精神安定度」能力と6面体サイコロひとつ(1D6)によって、次の手順で行われます。
- ゲームマスターは、難易度(通例4)と失敗した時に精神安定度が減る値を宣言する。
- プレイヤーは、精神安定度を消費する値(0でも可)を宣言し、1D6の出目をそれに加える。
- プレイヤーが算出した値が、難易度以上なら成功。さもなくば精神安定度が減る。
精神安定度が減る値は、遭遇した状況によって増減します。例えば怪物との遭遇であっても、遠くから見ただけなら3、近くで見れば4、自分自身が襲われているなら5の精神安定度を失います。
失敗した時に減る値が多い場合には、それより少ない値を消費して、判定での成功を狙うのが、精神安定判定の常道です。それでも失敗したなら、むしろ被害は大きくなりますが。(5失うのを避けようと2消費して、それでも失敗したなら、7失います。)
クトゥルフ神話生物との遭遇の場合、難易度が5となります。生物によっては、難易度と減少値が更に増えることもあります。
精神安定度は0以下になることもあり、その現在値によってキャラクターは次のような効果を受けます。
- 精神安定度が0以下になったら、情報収集能力を「消費」できず、一般行動能力の判定に-1の修正を受ける。
- 精神安定度が-6以下になったら、正常な行動ができなくなり、精神安定度の元値を1失う。
- 精神安定度が-12以下になったら、発狂する。
減った精神安定度は、「精神分析」能力の消費によって回復させることができます。-6以下での異常行動からの回復も、精神分析の消費によって可能です。
精神安定度がクトゥルフ神話生物との遭遇によって0以下になったなら、「正気度」を1失います。同じく-6以下になったなら、「正気度」を2失います。正気度の喪失は、1シナリオにつき2を上限とします。ピューリストモードでは、減った正気度は回復しません。正気度が0になったら、死よりも忌まわしい運命を辿ります。
グレートオールドワンなど、高位の神話生物と遭遇した場合は、いきなり正気度を失うこともあります。
精神安定度や正気度は、「クトゥルフ神話」能力を使うことでも失われます。これについては別途記します。「正気の支柱」については省略。