時空間処理とゲームシステム
今回は、「シーン」に至るまでの五種類の時空間処理が、実際にどのようなゲームシステムで用いられているか、例を幾つか示します。
1.「単位」のみで進行
- ファンタジーRPGで、「君たちは今、ダンジョンの入口にいる」から始まるダンジョンアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、ヘクスマップを一マスずつ移動して埋めていくワイルダネスアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、町のマップ上を距離を測りながら移動していくシティアドベンチャー
2.「単位」で進行、遭遇などを「場面」として処理
- ファンタジーRPGで、「君たちは今、町の酒場にいる」などの場面から始まるダンジョンアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、ヘクスマップ上を移動して、あるマスに入るとイベントが発生するワイルダネスアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、町のマップ上を移動して、ある場所に至るとイベントが発生するシティアドベンチャー
3.「場面」で進行、戦闘などを「単位」によって処理
- ファンタジーRPGで、ダンジョンのどの部屋に入るかが問われ、入るとイベントが発生するダンジョンアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、野外のどこに行くかが問われ、行くとイベントが発生するワイルダネスアドベンチャー
- ファンタジーRPGで、町中のどこに行くかが問われ、行くとイベントが発生するシティアドベンチャー
- クトゥルフ神話TRPG
- 深淵(第一版)
4. シナリオ構成要素としての「シーン」 (TORG型シーン制)
- トーグ(TORG)
- トーキョーNOVA(2nd以前)
- キャッスル・ファルケンシュタイン(Castle Falkenstein)
- 深淵(第二版)
- (ゲームシステムでは無いけど)「馬場秀和のマスターリング講座」で説かれた「シナリオ・ウェブ」
5. プレイヤー管理装置としての「シーン」 (FEAR型シーン制)
- トーキョーNOVA(Revolution以後)
- ダブルクロス
- アルシャード
これらの時空間処理方法は、「遊び方(遊戯法)」の一部であって、遊び手が自由に選択できるものです。ルールブックで何れかの方法が推奨されていたとしても、大抵のゲームシステムは、上記1~5のどの方法によっても楽しく遊ぶことができます。
次回からは、いよいよ二種類の「シーン制」について考えてまいります。