魔獣戦線「蒼雪騎」は「管理」の好例
水無月冬弥さんからトラックバックをいただきました。有難うございます。
- ネタと宣伝のために(おい) (水無月冬弥さん、TRPGと現代ファンタジーを愛する男のブログ)
水無月さんからのご指定通り、魔獣戦線RPGのプレイログから「DB-223 蒼雪騎」を拝読。良質なプレイを楽しく読ませていただきました。以下、このプレイが「自由」か「管理」か等について、私なりの分析を示します。
結論から申し上げますと、「蒼雪騎」プレイは「管理して遊ぶゲームプレイ」であり、その「自由度」は「中くらい」です。
まず、「自由」か「管理」か、について。「登場/邂逅/調査/集合/戦闘/退場」の各フェイズで明示された「プレイの目的」が、「最も面白い展開」に相当する、と考えられます。繋げると、「キャラクターは魔獣の事件の調査に向かい、他のキャラクターと合流して最新情報の入手および今後の相談をし、魔獣の居場所や邪力の弱点を調査した後、魔獣のいる場所に向かう。そこで魔獣と戦い、(生き残れば)現場から去っていく」となり、このような展開になるようにプレイヤーは上手く「管理され」なくてはなりません。このことから、「蒼雪騎」プレイは「管理して遊ぶゲームプレイ」である、と判断しました。
次に、「自由度」の高低について。例えば「調査フェイズ」では、接触可能なNPCを明示することでプレイヤーの行動を事実上限定していますが、その内どのNPCとどのように接触するかはプレイヤーの判断に任されています。また「戦闘フェイズ」では、敵の秘密が解けていないと生存率が低くなるものの、解けていなくても戦闘に臨むことができます。これらのように「蒼雪騎」プレイの「自由度」は、特段に高くも低くもありませんので、「中くらい」と判断しました。
ここで実験的に、もし、例えば「調査フェイズ」の「自由度」をもっと低くするなら、各PCに特定のNPCとの関係を与えることで、接触するNPCを限定しておく方法があります。逆に「自由度」をもっと高くするなら、接触するNPCを探すところから始めさせたり、調査する場所や調査内容などNPC以外の選択肢を示したりすることで可能です。
また、もし「自由に遊ぶゲームプレイ」を試みるなら、「魔獣戦線」の世界設定やルールシステム、PCの立場などはそのままに、ただし個々の事件や魔獣への対応には一切関知しないことが必要です。「蒼雪騎」なら、魔獣を救おうとする、必要なら組織から隠そうとする、などのプレイヤーの行動を認めます。認める以上はゲームマスターも、それらの可能性をある程度は検討しておくことになります。
もっとも、私が言うまでもなく、「蒼雪騎」プレイにはプレイログに見られる通りの遊び方が最適と思われます。「自由度」が高いことや「自由に遊ぶ」ことが、必ずしも優れているわけではありません。多様な遊び方はいずれも選択肢であって、好き嫌いはあれど、どれかが他より優れているということは無いのですから。