手順1 : ゲームを選ぶ
「自由に遊ぶ」ことの八つの手順、その第一では「自由に遊ぶ」ために用いる卓上RPGシステムを選びます。手順2「仲間を集める」と順序が入れ替わることもあります。
「自由に遊ぶ」のに適したゲームシステムには次のような特徴がある、と考えられます。
- 行動判定ルールに多様性があること。プレイヤーの自由な発想を促進するには、キャラクターの幅広い行動を想定したルールシステムが適しています。例えば、技能を網羅的に揃えたゲームシステムは、この遊び方に向いています。
- ロールプレイを促進するルールが無いこと。キャラクターの人格設定などに則ったプレイを強いるルールは、この遊び方に向いていません。上手なロールプレイで得られる経験点、FEAR式の「ハンドアウト」、深淵の「運命」などが、これに抵触する例です。
- プレイヤーを管理するルールが無いこと。キャラクターではなくプレイヤーに働きかけ、ゲームマスターが対処可能な範囲から逸脱させないようにするルールは、プレイヤーの自由な発想や判断を妨げます。「ミッション成功」で得られる経験点、FEAR式の「ハンドアウト」「今回予告」「シーン制」などは、この遊び方に向きません。
- 世界設定に豊富な背景資料があること。非現実的な部分があっても現実や史実を基礎にして作られた世界設定であれば、プレイヤーが独自に得た情報によってキャラクターの行動の幅を広げることができます。まったくの架空世界なら、それを補うだけの資料が要求されます。
- 原作が無いこと。小説などを原作とするゲームシステムは、「原作のように遊ぶ」ことが「自由に遊ぶ」障害となる恐れがあります。それが無ければ、影響されることもありません。
- リプレイが無いこと。「リプレイのように遊ぶ」習慣を免れるには、見習うべきリプレイが無ければ確実です。
以上の条件をすべて満たすゲームシステムは、特に日本語で読める作品には、あまり多くありません。一部に目を瞑るにしても、なるべく適する点の多いゲームを選ぶべきでしょう。
なお、「自由に遊ぶ」ゲームプレイでは、参加者全員がルールブックを所持することが推奨されます。ルールシステムや世界設定に関する情報が、各人の発想の幅を広げるからです。基本ルールブックの内容が豊富で、かつ値段が高過ぎないゲームシステムが適している、とも言えます。