『クトゥルフ神話TRPG』(CoC)の最新版『Call of Cthulhu RPG 7th edition』(CoC7)のルールシステムについて、あれやこれやと考えたことを書いてまいります。その5回目は、CoC7のルールを活かした「より武術らしい武術ルールの試案」について。
ここで私が言う「武術らしい武術」とは、「柔よく剛を制す」のような「弱者が強者に対抗するための武術」です。「腕力が強く体が大きいほど強い」という武術は、私の好み通りの「武術らしい武術」ではありません。旧版CoCのマーシャルアーツはダメージボーナスが「STR+SIZ」から決まるので、好み通りではなかったのですが、次のように考えてみました。
- 「ダメージボーナス」と、(格闘効果用の)「ビルド」(Build)とは、「STR+SIZ」を表に当てて決める。
- 能力値が「D%系」となったため、「ダメージボーナス」と「ビルド」を決める値も「D%系」となった。
- 能力値と同じ「D%系」の技能値を、「ダメージボーナス」と「ビルド」を決めるのに用いてはどうか。
...という単純な思い付きから作ったのが、以下の追加技能。
- 「格闘/(任意の武術)」技能 (01%)
- 武術とは、徒手格闘のための技術であり、腕力や体格に劣る者がその差を補うために習得される。
- 任意の武術に即して、最も重視される能力値をひとつ指定すること。大抵はSTRかDEXとなる。
- 武術による「ダメージボーナス」と「ビルド」は、「STR+SIZ」でなく、「指定能力値+武術技能値」または「武術技能値の2倍」によって決める。
例えば「STR50、SIZ30」の人物なら、通常は「ダメージボーナス-1、ビルド-1」ですが、「格闘/空手」(指定能力値STR)40%なら「ダメージボーナスなし、ビルド0」、65%なら「ダメージボーナス+1D4、ビルド+1」となります。「格闘/柔道」などではDEXを用いることから、武術を身に着けた者の戦闘力は体格や筋肉量では判断できないことになります。
ところでCoCのマーシャルアーツというと、ダメージの大きさ故にキックばかりで、テコンドーかカポエラの如し。CoC7ではパンチもキックも同ダメージなので、そうならなくて済みます。むしろ「投げ」がヤバイのですが、省略。
もちろん、どれだけ戦闘で強くとも正気を保てねば無意味です。狂いやすくなった「正気度」ルールについて、次回。