CoC7考(3) 判定はどのような時にされるのか

クトゥルフ神話TRPG』(CoC)の最新版『Call of Cthulhu RPG 7th edition』(CoC7)のルールシステムについて、あれやこれやと考えたことを書いてまいります。その3回目は、「判定はどのような時にされるのか」について。

旧版CoCでは、「日常的な状況における肉体的および知的アクションは、自動的に成功」し、「危険な条件の下であったり、厳しい批判の目を受けながらであったり、非常な集中力をもって行わなければならないような場合」に行為判定を行う、とします(p.58)。新版CoC7では(前回述べたような)行為判定は、次のような場合には行われない、としています(p.194)。

  • 決まりきった(Routine)作業で、劇的なこと(Drama)が含まれないなら、判定する必要はない。
  • キーパーが話を早く進めたいなら、難しい行為でも判定無しに成功させてよい。
  • キーパーが話をそれ以上複雑にしたくないなら、難しい行為でも判定無しに成功させてよい。

「Drama」とは「an exciting, emotional, or unexpected event or circumstance (興奮や感動、あるいは驚きを与える事件や状況)」(Oxford Dictionary of English, 2010)の意です。改めてCoC7用シナリオ「悪霊の家」「Amidst the Ancient Trees」「Crimson Letters」における行為判定を整理すると、次のような場合にされています。

  1. 判定に成功すると、追加情報や品物の入手などによって探索者が有利になる場合。
  2. 判定に失敗すると、耐久力や正気度の喪失などによって探索者が不利になる場合。
  3. 判定の成功か失敗かによって、探索者の行動可能範囲や選択肢などが変わる場合。

以上をまとめて、行為判定は、成功か失敗かでゲームプレイの展開が変わるようなシナリオの分岐点でされる、というのが私の解釈です。成功しなければ話が進まないなら、判定させてはいけません。判定させるからには成功しても失敗しても、ゲームプレイは前に、しかも劇的に(Dramatically)進まなくてはならないのです。また、探索者の運命を分ける判定であるからこそ、その成功は成長に値する、と言えます。

次回は、新しくなった戦闘ルール、特にマーシャルアーツから「格闘効果」への移行について示します。

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