『Call of Cthulhu RPG』第7版(CoC7)のルールシステム、当初の予定を少し変えて、今回は「ダメージ」に関する変更点について述べます。
「ダメージ」(Damage)は、格闘戦においては拳や武器などによって与えられ、「耐久力」(Hit Point、hp)を減少させます。以下、攻撃に成功してから「ダメージ」を与えるまでの手順を示します。
- 「ダメージ」を与えることに成功したなら、武器などに応じてダメージ値を算出する。
- 「大成功」でダメージを与えたなら、「貫通ダメージ」または「最大ダメージ」となる。
- 着用した防具や、盾にした物品があれば、その「装甲値」分だけダメージ値を減らす。
- その攻撃を受けた者の「耐久力」を、ダメージ値分だけ減らす。ただし最低値はゼロ。
- 一撃のダメージ値が「耐久力」最大値の1/2以上であれば、受けた者は「重傷」となる。
- 「耐久力」がゼロになったなら、「重傷」か否かによって「死亡」または「気絶」する。
以下、旧版からの変更点について説明します。
刀剣や銃弾などの「貫通武器」(Impaling weapon)での「大成功」(Extreme success)は、「貫通ダメージ」を与えます。「貫通ダメージ」は、「武器ダメージの最大値+ダメージボーナス(db)の最大値+(ランダムな)武器ダメージ」となりました。例えば、肉切り包丁「1D4+2+db」(←これも旧版から変更)をダメージボーナス「+1D4」の者が使うなら、その「貫通ダメージ」は「1D4+12」(13~16)となります。旧版ルールなら「2D4+4+1D4」(7~16)でした。
拳や蹴り、棍棒などの「非貫通武器」(Non-impaling weapon)での「大成功」は、「最大ダメージ」を与えることになりました。例えば、拳や蹴り「1D3+db」(←蹴りでも拳と同じになりました)をダメージボーナス「+1D4」の者が使うなら、「最大ダメージ」は「7」となります。
なお、「大成功」が「貫通ダメージ」や「最大ダメージ」となるのは、「攻撃」の時だけです。格闘戦における「反撃」では、「大成功」であっても通常のダメージのままです。
「装甲値」(Armor point)に関するルールは旧版と同じです。「装甲値」が減るオプションルールは追加されましたが。
「装甲値」を差し引いたダメージ値が、一撃で「耐久力」の最大値の1/2以上であれば、そのダメージは「重傷」(Major Wound)を与えたことになります。「耐久力」を減少させると共に、「重傷」欄(Major Wound box)にチェックを入れます。
「重傷」は、旧版の「ショック」(クトゥルフ神話TRPG p.61)を発展させた新ルールです。「重傷」となった者は、直ちに倒れ伏し、CON判定に失敗したら気絶します。「重傷」の状態で「耐久力」がゼロになったなら、「瀕死」(Dying)となって「瀕死」欄(Dying box)にチェックを入れ、直ちに「気絶」します。「応急手当」を受けるまで毎ラウンドCON判定を行い、失敗したら「死亡」します。「応急手当」が成功したなら、「瀕死」を脱します(チェックを消す)。後述しますが、「重傷」を受けていると「耐久力」の回復も遅くなります。
「重傷」欄にチェックが入っていなければ、「耐久力」がゼロになっても「気絶」するだけで、「死亡」する恐れはありません。
さて、「死亡」しなければ、減った「耐久力」は「治癒」されます。
自然治癒として、「重傷」欄にチェックが無ければ、「耐久力」は1日1ポイント回復します。チェックがあれば、週ごとにCON判定し、成功したら1D3ポイント(大成功なら2D3ポイント)回復します。CON判定は、環境によって「修正ダイス」が適用されることもあります。「耐久力」が全体の1/2以上まで回復したら、「重傷」チェックは外されます。
「応急手当」(First Aid)は、負傷してから1時間内のみ有効で、成功しても1hpの回復に止まる、と変更されました。1D3ポイント治せる「医学」(Medicine)の重要性が増した、とも言えます。
もちろん「ダメージ」は、落ちたり溺れたりしても受けます。落下によるダメージや、窒息ルールにも若干の変更がありますが、それらは省略。
次回は「射撃戦」と、もうひとつの重要な戦い「追撃戦」(Chase)について、簡単に紹介します。