『Call of Cthulhu RPG』第7版(CoC7)のルールシステム、今回は「技能値による行為判定」の補足です。技能ごとの「無理押し判定」がどうなるかを例示、また技能による「人脈」判定について説明します。
まず、よく使われる技能である「図書館」と「目星」における「無理押し判定」は、次のようになります。
- 「図書館」(Library Use)
- 知りたい情報を資料の山から見つけ出す技能。コンピューターファイルやインターネットから情報を得る場合にも使える。
- 基本成功率は20%。基本のままでも「無理押し判定」まで含めれば、成功率は実質35%となる。
- 「無理押し判定」は、司書に手伝わせる、もっと時間をかけて全書架を漁る、などして行われる。
- 「無理押し判定」で大失敗した場合、間違った情報を掴んでしまって後で危機に陥る、どのような情報を探しているかが敵側に知られてしまう、その図書館に入館禁止になる、など。
- 狂気に取りつかれた者が大失敗した場合、その本を盗んで持ち帰ったり、ページを切り貼りして並べたりして、異常な記録を作成する。
- 「目星」(Spot Hidden)
- 隠されている物や隠れている者、気付きにくい手がかりなどを見つけ出す技能。
- 基本成功率は25%。基本のままでも「無理押し判定」まで含めれば、成功率は実質42.5%となる。
- 「無理押し判定」は、もっと時間をかける、家具を切り裂いて仲間で調べる、などして行われる。
- 「無理押し判定」で大失敗した場合、家探ししたのが誰かを示す手がかりを残してしまう、足跡を見逃した動物に不意打ちされる、集中しすぎて住人が帰ってきたのに気付かない、など。
- 狂気に取りつかれた者が大失敗した場合、探し物が壁紙の裏、壁の中、あるいは床下に必ずあるとと信じ込み、どうにか見つけようとする。
成功率20%が35%に、25%が42.5%になるなら、危険を冒してでも「無理押し判定」したくなるでしょう。大失敗したらしたで、早かれ遅かれ、劇的(Dramatic)な展開が待っていますし。ゲームマスター(キーパー)は、プレイヤーの決断と出目に、粛々と対応するのみ。大失敗を考えるのも、楽しい作業です。
次に、「人脈」(Contacts)について。
ゲームプレイ中にプレイヤーは「技能値による行為判定」に成功することで、その技能を専門分野とするNPC(非プレイヤー用キャラクター)を、自分の探索者(PC:プレイヤー用キャラクター)と知り合いであることにできます。例えば、ある図書館に知り合いの司書(NPC)がいることにしたければ、「図書館」技能で行為判定を行い、成功すれば本当にそのNPCがいることになるのです。両者の関係は、職業ごとに「おすすめ」(Suggested Contacts)が示されています。
この「人脈」判定によってプレイヤーは主導的に、自分の探索者(PC)にとって有益なNPCをゲームプレイに参加させることができます。知り合いNPCの確保は、自分で技能を用いるのとは違った効能をもたらすでしょう。技能による判定なしには「人脈」が得られないため、プレイヤーが口先の主張だけで人脈を広げることはできません。
「人脈」判定で失敗した場合、「無理押し判定」で再挑戦することが可能です。それで大失敗した場合、そのNPCは探索者の知り合いであり、かつ敵側の一味でもある、ということになります。チョイ役のはずが、宿敵が増えていく。「無理押し判定」の時のみゲームマスターがサイコロを振ることが推奨されていますが、あえてプレイヤーに振らせても構わないでしょう。
さて、ここまではキャラクターが一人で行う判定、あるいはNPCを相手取った(あまり重要でない)判定について紹介してきました。「行為判定」「無理押し判定」そして「人脈」、これらについて次回、先の私立探偵のデータを用いて例示してみます。その後、二人以上のキャラクターが関与する「対抗判定」の説明に移ります。