『Call of Cthulhu RPG』第7版(CoC7)のルールシステムについて今回は、前々回の手順、前回の職業データにより、キャラクターデータの作成例を示します。
プレイヤーが自分の担当キャラクターである「探索者」(Investigator)を作成する前に、ゲームマスター(キーパー)は次のような情報を提供することになっています。
- シナリオは、いつ、どこを舞台とするのか
- シナリオがどのように始まるか、あらまし
- シナリオに適している、おすすめの職業
- シナリオに適している、探索者同士の関係
...が、今回はそれは省略、というか一切気にせず、テキトーに作ります。プレイヤーがキャラクターをテキトーに作るのを、「偶然出会った探索者たち」(Random Investigator)方式と呼びます。
- 1. 能力値
- 3D6の5倍で、STRは70、CONは65、DEX75、APP40、POW60となった。
- 2D6+6の5倍で、SIZは60、INTは45、EDUは50となった。
- 3D6の5倍で、「幸運ロール」は50となった。※オプションルール
- 年齢を45才として、EDU57、STR68、CON64、DEX73、APP35に修正。
- 各能力値の1/2と1/5の値を記録する。STR68なら、1/2は34、1/5は13となる。
- STR+SIZ=128で、「ダメージボーナス」は+1D4、「ビルド」(Build)は1。
- (CON+SIZ)/10(端数切捨)で、「耐久力」は12となる。
- 「移動率」(MOV)はSTR、SIZ、DEXから9となるが、年齢のせいで8に下がる。
- 「正気度」はPOWと同値で60、「マジックポイント」はその1/5(端数切捨)で12。
- 2. 職業
- 職業は、前回紹介した私立探偵とする。好きなので。
- 3. 技能
- 「回避」の基本値はDEX/2で36、「母国語」はEDUと同じ50となる。
- 職業技能に割り振られるポイントは、EDUの2倍+DEXの2倍とし、246となる。
- 「信用」を、私立探偵は9~30の範囲なので、16%とする。残230ポイント。
- 交渉系技能は「脅迫」、もう1つの技能は「鍵開け」を選んだ。
- 更にINTの2倍で90ポイントも、任意の技能に割り振る。
- 「回避」51、「格闘(喧嘩)」61、「技芸(写真)」5、「脅迫」50、「鍵開け」50、「心理学」60、「図書館」50、「変装」30、「法律」50、「母国語」50、「目星」60とした。
- 各技能の1/2と1/5の値を記録。例えば「格闘(喧嘩)」なら、30と12。
- 4. 背景設定(Backstory)
- 「外見描写」は「みすぼらしく、疲れ切ったように見えるだが、隙が無く力強い」とする。
- 「主義/信条」は「社会には根絶されるべき悪がある」。そのような「悪」とは何か?
- 「大切な人」は「他の探索者(PC)」の一人で、理由は「借りがあるから」。何があったのか?
- 「大切な場所」は「人生で最も幸福だった場所」。それはどこで、どのような幸せだったか?
- 「大切な物」は「最も高い技能に関わる物」。「格闘(喧嘩)」なんだけど、どうしよう?
- 「特性」は「賭博師にして勝負師」。リスクを厭わないのは、私立探偵向きか?
- 出身地、性別、名前は、舞台設定に合わせて、後で適当に決める。
- 5. 装備
- 「信用」16で、生活水準は「人並」。舞台が現代なら、手元にある現金は640ドル(76,800円)、住居や自動車なども売却すれば16,000ドル(192万円)。通常は200ドル(24,000円)までの買物が可能。
- 装備は、職業や技能、背景設定などから、その有無を随時判断することになる。
上記データと背景設定を練った後、キャラクターにとって最も重要な項目を「大切な絆」(Key Background Connection)に選びます。正気度の回復に使えますが、失う危険も常にあります。キャンペーンプレイ向けのデータなので、詳細は省略。
このような「探索者」のデータをどのように運用していくのか、次回からその運用ルールについて紹介してまいります。私立探偵には、運用例でも活躍してもらう予定。