先の「ゲオマキナのデータ運用」で示した操縦手順を、各役割ごとに詳述します。今回は、「砲撃士」(Gunner)について。
砲撃士は、ゲオマキナの(最も危険な)頭部甲板で、「砲撃判定」を担当します。砲撃士にとって重要な技能は、設置された大砲によって決まります。CoCでは大砲の名前の技能、BRPでは「Artillery」技能です。
なお、蒸気砲以外による砲撃は、7番目ではなく、「2. 観測判定」と並行してDEX順に処理されます。
- 7. 砲撃判定
- 砲撃判定は、頭部甲板に設置された大砲によって、敵ゲオマキナなどを攻撃する判定です。「Artillery」技能など、大砲に応じた技能で判定します。
- 大砲が蒸気砲であれば、その必要出力を消費してから、砲撃判定を行います。他の大砲には必要出力はありません。
- 砲撃の成功率には、次のような修正が加わります。これらにより「距離3」(Range3)以内での成功率は、技能値の4倍~1/16の間で推移します。修正の結果、成功率が1%未満となった場合は、1%と見なします。
- 既に観測判定に観測士が成功しているなら、成功率は2倍となります。失敗していれば、1/2となります。
- 自機が停止しているなら、成功率は2倍となります。自機が移動していて、既に操脚判定に操脚士が成功しているか、失敗していても速度を落としていれば、成功率はそのままです。失敗したのに無理に速度を維持しているなら、成功率は1/2となります。
- 砲撃対象までの距離による修正は、「車間距離記録表(Vehicle Range Track)」(CoC p.328、BRP p.216)に記された通りです。なお、すべての大砲は、本来の射程を無視して「距離4」まで届くこととします。
- 砲撃対象が移動しているなら、その移動速度に関わらず、砲撃の成功率は1/2となります。停止しているなら、成功率はそのままです。
- 相手の機体重量(SIZ)が自機の重量(SIZ)の2倍よりも大きければ、成功率は20%増えます。逆に、相手の重量が自機の1/2より小さければ、成功率は20%減ります。(Big and Little Targets、BRP p.215)。この修正は、すべての修正の最後に行ないます。
- 砲撃判定に成功したら、命中部位を決め、そこにダメージを与えます。
- 命中部位(Hit Location)を決めるには、20面体サイコロ(D20)を振り、出目が1~3なら右脚部、4~6なら左脚部、7~10なら腹部、11~15なら胸部、16~17なら右腕部、18~19 なら左腕部、20なら頭部に命中します(BRP p.190)。特定の部位を狙うには、成功率を1/2にして判定します(BRP p.213)。「距離1」のみ、10面体サイコロを振って10を足した値(1D10+10)で決めます。
- 蒸気砲では、砲撃強度から「距離」(1~4)を引いた数だけ六面体サイコロ(D6)を振って、ダメージを決めます。砲撃強度がどれほど大きくても、砲撃できるのは「距離4」までです。蒸気砲は範囲にダメージを及ぼさないため、「距離1」でも自機に被害を受けずに撃つことができます。
- 他の大砲では、砲撃強度と同じ数のD6を振って、ダメージを決めます。大砲の種類は、武器の表(CoC p.71、BRP p.265)から選んでください。射程がどれほど大きくても、砲撃できるのは「距離4」までです。その大砲が範囲にダメージを与えるなら、範囲を決めるm数は無視して、「距離1」で撃った場合にはダメージの1/2(端数切捨)を自機にも受けます。自機の命中部位は、相手の命中部位に対応した部位となります(胸なら胸、右腕なら左腕)。
- 砲撃のダメージが盾および命中部位の装甲を超えた場合、超えた分だけ、その部位の耐久力かその部位に乗っている者の耐久力を減らします。部位の耐久力が0以下になれば、その部位が動かなくなるか、装甲が0になります。部位の耐久力と同じだけのマイナス値になれば、その部位は破壊されます。
砲撃士は、「観測士」「指揮官」を兼ねることができます。「射撃士」も兼任可能ですが、同じラウンドに砲撃を行うことはできません。砲撃は計算が面倒なので、兼任は勧めません。
装甲や鎧、盾については、観測士と同様です。なるべく身に着けてください。
ゲオマキナ同士の戦いで、相手との距離がある場合は、砲撃士が花形です。