(17)のつづき。今回で最終回。
- PL1(古き血の剣士)
- かくしてリプレイ(偽)ができあがった。鏡にとっては最初か?
- GM(ひとつの指輪の魔王)
- 最後だろう。(偽)だし。
- PL2(失われた小人族の狩人)
- 鏡は「リプレイがRPGを滅ぼす」ってのを書いたよね。あれから随分経ったけど、滅びたの?
- GM
- ん、あれは間違い。
- PL3(血に飢えた野蛮人)
- そろそろ時効か。
- GM
- 「リプレイがRPGを滅ぼした」が正しい。
- PL4(天才の白)
- 今遊ばれているRPGと、既に滅びたRPGとの、二種類があるのだ。
- PL2
- また定義問題だね。
- GM
- では、定義する。「既に滅びたRPG」とは、「ルールシステムと世界設定とを、どう使うかを決めて遊ぶRPG」である。滅びたといっても日本独自のことで、海外では今でもそのように遊ばれている、と思う。こちらを仮に「テーブルトップRPG」(卓上RPG)と呼ぶこととする。
- PL1
- 今遊ばれているRPGは?
- GM
- リプレイごっこ。うわまておまえらやめレンゲがレンゲが
- しばらくお待ちください
- GM
- では、定義する。「今遊ばれているRPG」とは、「ルールシステムと世界設定とを、リプレイのように使って遊ぶRPG」である。こちらは、リプレイが無いと成立しない遊び方であって、日本オリジナルのRPGと言ってよい。こちらを仮に「テーブルトークRPG」と呼ぶこととする。
- PL2
- そういえば、なんで英語の「Table-top RPG」を使わないで、「テーブルトークRPG」という和製英語を作ったんだろうね。
- PL3
- その時点で既に、似て非なるゲームにするつもりだったのかもな。
- PL2
- で、どっちの方が面白いの?
- GM
- 面白さ、楽しさとは、あくまでも主観だ。自分が「楽しんでいる」ことは認識できても、他の参加者が「楽しんでいる」か否かは分からない。逆に、他人が「面白い」と言うものが、自分にとっても「面白い」かどうかは分からない。「テーブルトップRPG」と「テーブルトークRPG」とのどちらが面白いかも、実際にやってみて、自分で評価するしかない。鏡は両方やったが、片方しか知らない者にそれを説いてどうなるというのか。
- PL2
- で、鏡にとっては、どっちの方が面白かったの?
- GM
- 「テーブルトップRPG」。
- PL1
- 当たり前だが、両方やってみて、「テーブルトークRPG」の方が面白い、という者もいるだろう。それをどうこう言う気は無い、当たり前だが。
- GM
- 批判せよ。
- PL1
- 日本国内にも、リプレイの無いRPGはある。それらを「リプレイのように遊ぶ」ことはできないのだから、「テーブルトップRPG」である。よって、「テーブルトップRPG」が滅びた、とは言えない。
- PL2
- リプレイがあっても読まなければいいんだよ。お金も節約できるし、リプレイなんて好んで読んでいる人はいないよ。そもそも「リプレイのように遊ぶ」なんて、遊びなのに他人の真似したって、楽しくないでしょ。誰もそんなことはやってないよ。
- PL3
- リプレイを読んだとしても、その中でどういう風に遊ばれているかは、自分のゲームプレイとは関係ないだろ。遊びにまで教科書、参考書が必要なんて、優等生的というか、強迫観念に追い回されているみたいだ。リプレイはむしろ、相手の裏をかくための参考資料にすればいいんじゃねぇか。
- PL1
- ルールシステムや世界設定をどのように使うか、自分で考えるなんて大変だ。たかがゲームにそんな手間や苦労はかけたくない。リプレイのように遊んだ方が楽(らく)なのだから、「テーブルトークRPG」こそが最も進化した、正しいRPGである。
- PL2
- 自分で好き勝手に、みんなと違うことを言ったりやったりしたら、いじめられちゃうよ!そんな恐怖には耐えられないから、リプレイの通りにしていた方が安心だよ。
- PL3
- 正解が必要なんだよ。学校のテストみたいに満点を取りたいから、攻略本とかリプレイを欲しがるのさ。その通りにすれば、満点が貰えるような手本をな。時間通りに終わる、というのも正解扱いされているぜ。そういう連中に売りつけて、喜ばれているのだから、それで良いのさ。
- PL4
- アナタが何を言っているかボクには理解できない!よって、アナタは間違っている。(ボクは常に正しいから、正しいことはすべて理解できる。なので、ボクに理解できないことは、それが間違っている証拠だ。)
- GM
- 話は変わるが、リプレイが「(笑)」だらけになってから、コンベンションとかが騒々しくなった。会場に響き渡るほど大きく、不自然な笑い声を張り上げる者が何人もいるせいで、同卓での話が聴き取り難くて困る。
- PL4
- 自分の感情を抑制できないとか、周囲への配慮というものを知らないとか、の可能性もある。さもなくば、私は「リプレイのように」笑ってますよ!と周囲に訴えていないと、不安なのかも知れない。気の毒に。
- GM
- 宣伝宣伝。リプレイが好きで、リプレイのように遊びたい人には、「テーブルトークRPG」がお奨めです。さぁ、リプレイを全部買って、全部読んで、その真似をしよう!
- PL3
- よせ。
- PL1
- リプレイ出版に依存しているのにも、色々と事情がある。「GM主導」では、サプリメントはGMしか買わないからな。関係各社を説得するには、数字が必要だ。
- PL2
- で、Metsysは、どっちなの?
- GM
- Metsysは、誰もがこのリプレイを真似するはずだから、「テーブルトークRPG」である。
- PL4
- 正気?
- GM
- 無理。むしろルールシステム上、リプレイがあっても、それを真似しにくくなっている、と思う。どうせ誰も遊ばないだろうが、気が向いたらルール篇をまとめるかも知れん。そうすれば「テーブルトップRPG」としては遊べるかも。
- PL2
- で、本家Systemは、どっちなの?
- GM
- 金色老子さんの定義とは違うかも知れんが、今回の定義では「テーブルトップRPG」だろうな。リプレイらしいリプレイが見当たらんから、どう遊ぶかは自分で考えるしかない。誰かに親切に教えてもらうのが当たり前で、その通りに遊ぶことしか知らない者なら、不満の声を挙げるであろう。「どう遊べばいいか分からない!」と。
- PL2
- 鏡には、分かったの?
- GM
- 分からん。だが、分からないことに慣れているし、それなりに楽しんだ。分からないことに耐えられないような自我肥
- PL1
- 終わり。
Metsys空想、完