もう一週間ばかり前になりますが、9月18日(日)に横浜市開港記念会館で開催された「クトゥルフ神話TRPG30周年記念コンベンション」で遊んでまいりました。とにかく大変な盛況で、まずはスタッフ各位のご労苦を称え、その成功をお慶び申し上げます。
到着するや、会場となった建物に感動。公式サイトで館内見取図を入手できますが、この建物が山中とか孤島にあれば、怪事件が発生すること間違いなし。私が好きな館物ミステリーでも使えそう、というか、むしろ次回シナリオで使いたい。ビバ、文化財。
さて、私がキーパーとして担当した卓は、第八卓。古代ローマ帝国を舞台とする『Cthulhu Invictus』を使って、「テルマエ・ロマエ」というシナリオ(正確にはキャンペーンセッティングというべき)を企画。参加プレイヤーを募った結果、4名のプレイヤーにご一緒いただくこととなりました。
まず、古代ローマ帝国について簡単に説明。要点は「奴隷と解放奴隷」「パトロヌスとクリエンテス」「ローマ市民の一日」の三点に絞りました。それから作成していただいたキャラクター「探索者」は、次の通り(DEXの高い順)。
- フルウィア・マレオッラ。女性20才の内科医。軍隊で経験を積んだ後、ローマ市内の病院に勤務。
- アッキウス・ペラ。男性23才の船乗り。商船を降り、久々に生まれ故郷のローマにやってきた。
- アントニア。女性16才の奴隷。ゲルマン人で、外国語に堪能。アンニウス・リグスの従者。
- アウルス・アンニウス・リグス。男性28才の元老院議員。場末の酒場でも気軽に呑み騒ぐ御曹司。
お昼休みの後にゲームプレイ開始、今回のシナリオでは三部構成による進行を試みました。第一部では、導入から情報提供の前半までを「ゲームマスター主導」にて。第二部は「プレイヤー主導」で、更なる情報の収集と潜入探索などを。第三部は、結局閉会式後に慌ただしく、シナリオの背景にあった真実を、ほとんど一方通行な説明で。
とにかく私は一日たっぷり楽しめましたし、やりがいも存分に味わいました。私を含めて5名で協力することで、今回のメンバーでなければ成立しなかった展開を創り出せたこと間違いなし、と確信しております。素晴らしい時間を共に過ごさせていただき、プレイヤーの皆さんには心から感謝申し上げます。
そして以下は、反省点。
- いつものことですが、ネタを詰め込み過ぎました。「130年代の古代ローマ帝国」という世界設定に、時代を同じくする『テルマエ・ロマエ』「キリスト教グノーシス派」そして「クトゥルフ神話」と来ては、いささかやり過ぎだったかも知れません。かと言って、どれが余計か、と考えても、どれかを外せるものでもありません。次回にシナリオを組む時には気をつける、というのみ。
- ネタの詰め込み過ぎと似たことで、情報の出し方について反省。私はいつも、「シナリオの背景設定(クトゥルフ神話的真実)」と「NPCの知識と思惑」とを元に、プレイヤーが決めた「PCの行動」に応じて、NPCから情報を出させます。事前に想定される「出るかもしれない情報」のすべてが、実際のゲームプレイには出るわけではありません。ひょっとしたらこのことが、プレイヤーからは情報不足と感じ取られる恐れがあるなぁ、と今回感じたところです。対策を練りたいと思います。
- 改めて思い返すと、戦闘がありませんでした。自然な流れとしてそうなったのですが、せっかく古代を舞台としたのですから、参加された方にはちょっと期待外れだったかも知れません。クトゥルフ神話TRPGでは、クライマックスの描写に成功するほど、PCは逃げようとしますから、戦う機会は別の時点に用意すべきなのでしょう。古代ローマ帝国であっても無用な武装は捕まりますが、殴り合いならできたわけで...。
- TRPG初心者の方が御一人参加されました。力の及ぶ限りで対応したつもりですが、覚悟と準備が十分でなく、もうちょっと何か工夫できたかな、と。初心者だからルールを簡単にするとか、そういうことは考えません。完全な形を体験してもらわなければ、その面白さも味わえませんから。ルールとか技能の説明一覧でも作っておいて、お渡しできれば良かったなぁ、とは思いました。
- 一番の失敗は、マンガ『テルマエ・ロマエ』をご存知ない方への配慮が足りなかったことです。そういう方でも大丈夫、と事前に表明しましたから、言い逃れできません。ゲームプレイ本編(第一部、第二部)はともかく、最後は「『テルマエ・ロマエ』はクトゥルフ神話」というネタだったのですから。今更ですが、マンガの第一話だけでもコピーしてお渡しすべきでした。最後、訳が分からない、という御二方の表情を拝して悔やんだ次第です。誠に申し訳ありませんでした。
以上の五点については、今後のゲームプレイに活かしてまいりたいと思います。こういうのが私にとって、次への意欲というか、活力となるのですよ。今回も面白かったし、もっと上も目指せる!と。
何はともあれ、コンベンションのスタッフ各位と、同じ部屋で楽しい一日を共に過ごした皆さんに、心からの感謝いたしております。有難うございました。