Trail of Cthulhuの情報収集

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Trail of Cthulhu(ToC)に特徴的なルール運用について、幾つか解説してまいります。その1回目は「情報収集」。

ToCでは、プレイヤーが操るキャラクター「探索者」による行動を、「情報収集」「一般行動」「対抗行動」の三つに大別します。

この内「情報収集」の特徴は、成否の判定が行われないこと、即ち「失敗しない」ことです。プレイヤーが探索者に「何もしない」ことを選ばせない限り、シナリオを解決するのに必要な「核心情報」(Core Clue)のすべてがゲームマスターから与えられることになります。

具体的には、次の三つの条件が揃った時、ゲームマスターはプレイヤーに「核心情報」を与えます。

  1. 「核心情報」を得ることが可能なシーンに、探索者が登場している。
  2. 「核心情報」を得るに適した情報収集能力を、その探索者が持っている。
  3. 探索者がその能力を「使う」(use)と、そのプレイヤーが宣言する。

能力をどのように使うかは、具体的に描写しても、抽象的に述べるだけでも構いません。具体的な描写をどの程度活かすかは、ゲームマスター次第です。

時には、プレイヤーが「使う」と言わなくとも、適切な能力さえ持っていれば、ゲームマスターから「核心情報」が与えられることもあります。

また、情報収集能力を1~2ポイント「消費する」(spend)ことで、シナリオ解決に必要ではなくとも、それを有利にしたり劇的にしたりする情報(benefit)が得られる場合があります。その機会を、プレイヤーの宣言に応じて与えるも良し、ゲームマスターから示唆するも良し。

このようなルールによって、プレイヤーが「情報収集」に失敗することはありません。ただし、集めた「核心情報」から、その背後にある「恐るべき真実」を探り出せるか否かは、プレイヤーの力量に任されます。「情報分析」での失敗は、いまだプレイヤーに残されているのです。(その例外である「クトゥルフ神話」能力については後述します。)

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