「プレイヤーの中のメタ」の4番目は、卓上RPGで小説や映画のような物語を作る場合。「理想のゲームを遊ぶメタ」の一例です。
卓上RPGはストーリーを作るゲームであるから、ゲームプレイの展開が小説や映画のようになるのが理想である。このような「理想のゲーム」像を背景に、その実現を目指して皆で協力していきます。
この場合、次のような階層構造が成立します。
- 物語を作る : 小説や映画のようなストーリーを作り上げるのが、卓上RPGの理想である。
- その参加者 : 物語のようなゲームプレイを完成させるために、その参加者がいる。
- その内容 : どのゲームで、誰がゲームマスターとなって、どのような物語を作るか。
ゲームプレイによって小説や映画のようなストーリーを完成させられるか否か、によって他のすべてが評価されます。ストーリーとして中途半端に終わってしまったり、終わっても小説や映画のようなストーリーとならなければ、そのゲームプレイは失敗です。参加者かゲームシステムかシナリオか、何かがダメだったのです。原因らしき何かを改めねばなりません。
「物語を作る」といっても具体的なストーリーが予定されているのか、どの程度まで変更が認められるか、完全にいきあたりばったり(フルアドリブ)でいくのか、などは様々です。最上位の階層を認識していない者にとっては、どのように「物語を作る」かは「知っていて当然」なので、一々確認などしない場合があります。その結果、プレイ中、プレイ後に衝突を招くことがあります。
具体的なストーリーを変えてほしくない、という場合には、ゲームマスターが作家/監督役となり、プレイヤーが読者/俳優兼監修として加わっていく、という形が取られます。もしその関係を逸脱する者があれば、全員の確認不十分として反省することもあれば、残り全員でその者を糾弾することもあります。
小説や映画のような卓上RPGを目指して、皆で努力する。これが、ゲームプレイの中で物語を作ることを「メタゲーム」としたゲームプレイです。