「プレイヤーの中のメタ」の1番目は、ゲーム以前からの友人同士で遊ぶ場合。
元々の友人同士が、ある時卓上RPGを持ち込んで、皆で遊んでみることにした。このようにしてゲームプレイを始める事例は、RPG黎明期では多くがそうでしたし、今でも少なからずあることでしょう。卓上RPGへの、最も原始的な参加形態と言えます。
このようなプレイヤー(ゲームマスターを含む)には、次のような階層構造が成立します。
- 友人関係 : 友人同士が一緒に時間を過ごすことが楽しい。
- その遊び : 一緒に時間を過ごすために、卓上RPGを遊ぶ。
- その内容 : どのゲーム、どんなシナリオ、誰がゲームマスター?
参加者同士は仲の良い友人である、という事実が最上位にあり、他のすべてを俯瞰/解釈/評価します。つまり、ゲームの内容がどうであれ、すべては一緒に楽しく過ごした過程であり結果、と評価されるのです。キャラクターが敵味方に分かれようと、ストーリーとして中途半端に終わろうと、面白おかしく時間を過ごせれば、それで良いではありませんか。
卓上RPGを遊ぶこと自体、さして重要なことではありません。遊び道具など何でも良かったのです。卓上RPGを試して、気に入れば継続して遊び続けるでしょう。気に入らなければ、他のゲームでも構いません。重要なのは、その人間関係の中で遊ぶことであって、何を遊ぶかではないのです。
どのゲームシステムで、どのようなシナリオを遊ぶか。誰がゲームマスターで、誰がプレイヤーか。それらは友人同士で話し合い、全員の合意によって決まります。合意は容易です。友人同士で遊びたい、遊べれば何でも良い、というのが本音なのですから。
友人同士で遊べさえすれば、ゲームの内容は何であっても楽しめる。これが、友人同士が遊ぶことを「メタゲーム」としたゲームプレイです。