今回まとめる回避(Dodge)こそは、CoCの戦闘ルールが他のBRPと大きく異なる部分です。CoCにおける回避は、次のようなルールとなっています。
- 戦闘に参加している1キャラクターは、1戦闘ラウンドに1回の回避を行うことができる。
- 命中するまで気づかない攻撃でなければ、不意打ちであっても回避を行うことができる。
- 回避した戦闘ラウンドには、攻撃できない。(攻撃したラウンドには、回避できない)
ここで、「攻撃/受け流し/回避」の関係を整理しておくと、次の通り。
- 攻撃と受け流しは、同一戦闘ラウンドに行うことができる。
- 受け流しと回避は、同一戦闘ラウンドに行うことができる。
- 攻撃と回避は、同一戦闘ラウンドに行うことができない。
BRPシステムを用いた他のゲームシステムでは大抵、攻撃と回避は同一ラウンドにできることになっています。「回避」という技能名は同じでも、CoCと他のBRPとで、まったく異なる行動を指しているのかも知れません。他のBRPに慣れた方は特にご注意を。
さて、上記まとめで、回避は1回とした論拠について。実のところ、CoCのルールブックには「1回」と明確に示されておらず、(英語版では)回避対象が複数形となっている上、銃弾は一発目のみ回避可能としています。このため、銃弾以外の攻撃なら1ラウンドに何度も回避できる、と私は解釈していました。しかしながらCDAのルールブック(の英語版)等を再確認すると、1戦闘ラウンドに1回と明記されている。やはりCoCも「1回」とするのが無難か、と判断した次第です。
一応、両ルール解釈を比較しておくと...。
- 回避は1回のみ可能とすれば、複数人で一人を攻撃するのが極めて有利となる。PCは単独行動を避け、敵には一斉に襲いかかるのが鉄則となる。
- 回避は何回でも可能とすれば、防御に徹し易く、また逃げ易くなる。特に攻撃を得手としないPCは、回避技能を高めておくのが鉄則となる。
- 回避を3回までとするオプションルール(CoCのルールブックp.150)は、無制限を3回に減らしたのか、1回を3回に増やしたのかはともかく、前二者の折衷案のようになる。
回避が何度可能であれ、ゲームマスターがNPCや神話生物に、1キャラクターに対して1戦闘ラウンドに1回しか攻撃させなければ、関係ありません。もちろん、銃撃は除いて。
上記まとめの二番目にある「命中するまで気づかない攻撃」とは、完全に隠れた場所や背後からの攻撃や、ライフルによる遠距離からの狙撃などのことです。それらの状況であっても、ゲームマスターは目星や聞き耳、幸運ロールなどで気づくチャンスを与えるのが良いでしょう。
つまるところ「回避」とは、いわば逃げ専門の技能であり行動です。非戦闘系のPCには高めに取らせておき、探索が敗退に終わった時でも逃げ延びて、日記を後世に書き残す機会くらいは与えたいものです。その日記は次回のネタにも使えますし。
次回は、「DEXと攻撃の順番」で省いた照準について。