初心者専用BRP

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今回は「初心者専用ルールシステム」の更なる例として、既存ルールシステムの「初心者専用化」を試みます。前回のような極端な例を前提にすれば、大胆に削っていくことが可能に、というより平気になります。「初心者専用」に飽きたなら、そのまま本来のルールシステムに移行できる、というのも長所。

削られてしまう既存ルールシステムには、私がこよなく愛する「Basic Roleplaying (BRP)」システムを取り上げます。最近海外ではやたら元気なBRPですが、日本語版が流通しているのは『クトゥルフ神話TRPG』くらいなので、データなどはそちらから流用します。ただし、必ずしも「クトゥルフ神話」を扱うゲームとするわけではありませんので、ご注意。

基本は、次の通り。

キャラクター作成ルール
職業を選ぶ。八つの職業技能が、キャラクターの「得意技能」となる。
それ以外の技能から三つを選ぶ。それらもキャラクターの「得意技能」となる。
行為判定ルール
「得意技能」に関わる行動では、必ず良い結果を得る。それ以外では、平凡な結果しか得られない。
行動に対抗する相手がいる場合は、「得意技能」を持つ側に有利な結果が得られる。両方が持つか、両方が持たない場合は、勝負がつかない。あるいはプレイヤー側の有利とするのが無難か。
戦闘において、「得意技能」を持つ者が持たない相手に攻撃したなら、相手は戦闘不能(または攻撃者が望んだ結果)となる。即死は避けておくのが良い。

以下、その運用例。

キャラクター作成例 : ジャーナリスト
<言いくるめ>、<写真術>、<心理学>、<説得>、<図書館>、<母国語>、<歴史>、さらに1つの技能が、キャラクターの「得意技能」となる。最後の技能として<目星>を選ぶ。
それ以外から<運転(自動車)>、<隠れる>、<登攀>の三つを選ぶ。これらも「得意技能」となる。
行為判定例
<言いくるめ>が得意なので、常に相手を言いくるめて誤魔化すことができる。
<写真術>が得意なので、常にピントの合った写真を撮ることができる。
<心理学>が得意なので、相手の心理状態におかしなところがあれば、必ず気が付く。
<説得>が得意なので、必ず相手に自分の言い分を納得させることができる。
<図書館>が得意なので、探している本や資料を必ず見つけることができる。
<母国語>が得意なので、それで書かれた文章を正確に読んだり、良い文章を書いたりできる。
<歴史>が得意なので、昔あった事件や人物名などを、すぐに思い出すことができる。
<目星>が得意なので、見つけ難い物や隠れている者などに、必ず気が付く。
<運転(自動車)>が得意なので、高度な運転技術を駆使することができる。
<隠れる>が得意なので、<目星>が得意な者にしか見つからないように隠れることができる。
<登攀>が得意なので、登るのが難しい壁や崖でも、登り越すことができる。

上記の例をご覧になって、戦闘がつまらなそう!と感じる方もいるでしょう。はい、当たり前です。ルールシステムを駆使して戦闘を楽しみたいなら、「初心者専用ルールシステム」を使うべきではありません。もっとも、上記のようなルールでも、それなりに戦術は考えられますけどね。

いずれ他の既存ルールシステムでも試すかも知れませんが、次回は「世界設定」について。

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