卓上RPGの階層構造の基本

前回述べた定義に則り、卓上RPGにおける「ゲーム」に対する高次概念「メタゲーム」について考えてみます。つまりは卓上RPGの現場に「階層構造」を見出し、その関係が「メタ」なものになっているかを探っていくわけです。

まず、基本的に、というか、避けられないものとして、次のような「階層構造」があります。

  1. プレイヤー階層 : プレイヤーとゲームマスターとが、ルールブックや設定資料集、シナリオを用いて遊ぶ
  2. キャラクター階層 : キャラクター(PCとNPC)が行動し、舞台世界の状況を変えていく

両「階層」の間には、「メタ」な関係が成り立ちます。即ち...。

  1. 「プレイヤーとゲームマスター」は「キャラクターと舞台世界」について、俯瞰し、解釈し、評価することができる。
  2. 「プレイヤーとゲームマスター」は、「キャラクターと舞台世界」への解釈や評価に基づいて、「キャラクターと舞台世界」に干渉することができる。
  3. 「キャラクターと舞台世界」は「プレイヤーとゲームマスター」に干渉するどころか、認識することもできない。

これにより、「キャラクター階層」で行われるものを「ゲーム」「ゲームプレイ」とするなら、「プレイヤー階層」で行われるものは「メタゲーム」「メタゲームプレイ」である、と言えます。めでたし、めでたし。

...と、ここまでを基本として、次回からは更に考察をめぐらせてまいります。以下、予告。

  • 「メタゲーム」は「ゲーム」を、どのように解釈し、評価するのか。そして、どのように、干渉するのか。これらが変わることによって、多様な「メタゲーム」が考えられます。干渉がどの程度まで許容されるか、も様々です。
  • 「メタ」な関係は、「プレイヤー階層」の内部、また「キャラクター階層」の内部でも成立します。「キャラクター階層」の中に更に、どのような階層構造を見出すかによって、ゲームシステムの理解が変わります。
  • 「プレイヤー階層」の更に「階層構造」化することで、様々な「遊び方」(遊戯法)の背景思想を示すことができます。「自由に遊ぶゲームプレイ」など、幾つかの例を取り上げて考えてまいります。

ところで、「ゲーム」が「メタゲーム」に干渉する、という例外。卓上RPGでは、専らキャラクター設定によってプレイヤーの決断が左右される、というのが当たるかも知れません。そうなると、当のプレイヤーはともかく、持参したシナリオ通りにやりたいゲームマスターにとっては不都合なことがしばしばです。ひょっとして「メタゲーム」という語は、そういうプレイを排除するために導入されたのかも知れません。

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