[Answer] 「制限」と「管理」(玄兎さん)

「自由なミステリーを遊ぶ」に4名の方からトラックバックをいただきました。有難うございます。長らくお待たせして恐縮ですが、お返事は近日中に書き込む予定です。

さて、それに先立ち今回は、玄兎さんからの三つのご質問にお答えいたします。

  • [Question] 「制限」と「管理」 (玄兎さん、ペテン師の戯言。)
  • まず、「制限」と「管理」との定義の確認から。

    • 「制限」 : ルールシステムや世界設定などに基づき、(ゲームデザイナーによって)ゲームマスターとプレイヤーとの双方の行動が狭められること。また、その内容。
    • 「管理」 : ゲームプレイの予定される展開に基づき、ゲームマスターによってプレイヤーの行動が狭められること。また、その内容。

    以下、設問ごとの回答。

    Q1. ゲームマスターが導入時に、PC の状況として「君たちは現場に居合わせてしまった。警察は君たちを疑っているよ」とするとき、これは「管理」でしょうか? それとも「制限」でしょうか?

    A1. 「制限」です。より正確には、「制限」に従ったゲームマスター(によるNPC)の行動です。

    現代を舞台とするなら、「警察は職務上、現場に居合わせた者を疑う」のは世界設定に基づく「制限」と考えられます。この場合は、ゲームマスターの行動が「制限」されたことになります。

    ただし、「管理される」ことに慣れたプレイヤーは、そこに「警察に疑われるPCを演じよ」という「ゲームマスターの意図」を(勝手に)読み取るかもしれません。

    Q2. なんらかの権力を持つ NPC が登場して、PC に事件解決の手伝いをさせようとします。NPC は PC に「あなたが協力してくれるかどうかは自由です」と言いながら、PC の職場や学校などには先行して確約を取り付け、協力しないと何かとマズいことになりそうな雰囲気を作り上げます。これは「管理」でしょうか? それとも「制限」でしょうか?

    A2. おそらく「管理」です。

    「あなたが協力してくれるかどうかは自由です」はNPCのセリフに過ぎません。ゲームマスターがプレイヤーに特定の行動をさせようと「誘導」しているか否かは、NPCの行動の徹底振りや、ゲームマスター本人の顔色からも推定されます。

    ただし、NPCの行動で意図を伝えようとする「管理」は、「管理される」ことに不慣れなプレイヤー(例えばRPG初心者)によって無視される恐れがあります。

    Q3. あるゲームマスターがシナリオ単位でオプションルールを適用します。このオプションルールが遊ぶシナリオの方向性を示すものであったとき、これは「管理」でしょうか? それとも「制限」でしょうか?

    A3. 「制限」です。ただし、そのゲームマスターは「管理」のつもりかも知れません。

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