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第四の手順では、「プレイヤーの遊び場」としてのシナリオ(個別のゲームプレイに登場する設定群)を作成します。手順3「キャラクターを作る」とは順不同、並行して行われることもあります。

「自由に遊ぶ」ゲームプレイでのシナリオは、「駒」であるPCを動かす「遊戯盤」というよりは、「プレイヤーの遊び場」として用意されます。「遊戯盤」の範囲内で遊ばせるのではなく、遊んだ範囲が「遊び場」となるのです。シナリオは、プレイヤーが(PCにさせる)動きに応じて、変化できるものでなくてはなりません。

ここでは、そのような柔軟性を持つシナリオ構造の例を紹介します。かつて「人系列シナリオ」と称したもので、次のように作成されます。

  1. PCが関わる「事件」を定めること。「事件」は、シナリオの中心にあり、唯一変化しない枢軸です。PCは「関わる」のであって、必ずしも「解決する」のではありません。複数の「事件」を絡めると、シナリオを複雑にできます。
  2. 「事件」に関わる「人物」を定めること。「人物」は、「事件」と強い関係を持つゲームマスター用NPCです。個別の人格設定と「事件」に関わる背景設定とに基づいて、ゲームプレイ内での行動(するかも知れない)計画を持ちます。
  3. 「事件」や「人物」に関わる「場所」を定めること。「場所」は、「事件」や「人物」と関わる中で、PCが登場する(かも知れない)ゲーム内の地点です。そこに限定して登場する端役的な(ゲームマスター用)NPCも含みます。

例えば、「事件」を「宝の地図の発見」とすれば、「人物」は「発見者、その仲間、宝を狙う盗賊、盗賊団を追う刑事、宝を守る者」など、「場所」は「地図の発見場所、地図が示す場所、発見者の家、古文書のある図書館、発見者愛用の酒場(とバーテン)、警察署(と警官たち)」などとなります。

ゲームプレイ中、プレイヤーの「自由な発想と判断」(に基づいてPCにさせる行動)によって、シナリオは随時変わっていきます。どのように変化させるかは、ゲームマスターの「自由な発想と判断」次第です。

  • プレイヤーがPCにさせた行動が「事件」の在り様を改めさせたなら、ゲームマスターはすべての「人物」の行動計画を変更します。各々の人格設定と背景設定が判断材料となります。(例:宝の地図を燃やしたら…)
  • プレイヤーがPCにさせた行動が「人物」の行動計画に影響を及ぼしたなら、ゲームマスターはその「人物」の行動計画を変更します。その人格設定と背景設定が判断材料となります。(例:発見者から地図を奪い取ったら…)
  • プレイヤーがPCを予想外の「場所」に移動させたなら、ゲームマスターは既存の「場所」で代替するか、新規に「場所」を追加します。(例:地図を分析すべく出身大学へ…)

プレイヤーがどのように遊んでも対応するには、多様な可能性を想定しつつ、どの可能性をも予期しないことが肝要です。そして現場での変化を、楽しみに待つのです。

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