わが国産の卓上RPGシステムには、日本独自の「進化」が多々盛り込まれています。これら新奇なデザインが世に現れるまでには、しばしば似たような展開が見受けられます。
即ち、ゲームシステムのある部分について…。
- システムをそのまま素直に用い、問題がない段階
- システムが想定しない使い方をし、問題が発生する段階
- その使い方に合うようシステムを改め、問題が解決する段階
上記三段階は環境適応そのものであって、無論そのこと自体には何ら問題ありません。
第3段階を知るだけでも、「進化」の結果を楽しむことはできます。第2~第3段階を知れば、「進化」の素晴らしさを讃えることもできるでしょう。ただ遊ぶだけなら、それで十分です。
しかしながら、「進化」の全体像を見極めるためには、第1段階からの環境の変化もまた重要です。それは、何故「進化」しなくてはならなかったのか、を示すと共に、どうあれば「進化」しなくて済んだのか、をも明らかにしてくれます。更には、まったく異なる環境を想定することで、未開拓な適応、新たな「進化」をも創造することが可能となるでしょう。
このカテゴリーでは、日本における卓上RPGの「進化」について考察すべく、特にその背景にある環境の推移などを論じてまいります。上記三段階は考察の前提となるものなので、先んじて表明しておきます。