今回示すのは「反省会」の手順です。特に定まった方法があるわけではありませんから、自分の経験や考察から一例として組み立ててみました。
1、評価基準
何をもって善悪可否を評価すべきか、その基準、目安を再確認する。そもそも評価基準はプレイ前から共有されているべきで、そうでないとプレイ自体も上手くいかない。理解が十分で、再確認不要と判断されれば、省略される。
2、ゲームマスターの良かったところ
ゲームマスターの良かったところについて、ゲームマスター自身が語る。次いで、プレイヤーがそれを補足する。「悪かったところ以外はすべて良かった」という了解の下では、省略される。
3、ゲームマスターの悪かったところ
ゲームマスターの悪かったところについて、ゲームマスター自身が語る。次いで、プレイヤーがそれを補足する。
4、プレイヤーの良かったところ
プレイヤーの良かったところについて、プレイヤー自身が語る。次いで、ゲームマスターがそれを補足する。「悪かったところ以外はすべて良かった」という了解の下では、省略される。
5、プレイヤーの悪かったところ
プレイヤーの悪かったところについて、プレイヤー自身が語る。次いで、ゲームマスターがそれを補足する。
プレイヤーについては、一人ずつ4と5とを行う方法、一人ずつ4をやってから5に移る方法、また4も5もプレイヤー全員をまとめてやる方法とがあります。まとめてやった方が時間も負担もかかりませんが、細かさは失われます。
付記した通り、1と2と4は、時に省略されます。1を省くなら「評価基準」を、2と4を略すなら「悪かったところ以外はすべて良かった」という認識を、参加者全員が共有していなくてはなりません。「これは常識だ」という思い込み、「こういうことは分かっていて当然だ」という決めつけは、分かっていても、ついやってしまうものですが。
言及するほどの「善悪可否」が「特に無い」場合も、その手順は省略されます。それでも、概ね良かった、概ね悪かった、さっぱり分からない、程度は語れると良いでしょう。他の誰かが、何かに気付いてくれることを期待して。
本人がまず反省し、それに対して周囲が補足する、という順序には意義があります。第一に、先に述べた本人に、参考意見を謙虚に聴く姿勢ができること。第二に、本人の反省点が共通の前提となって、他の者の考えと発言が整理されること。第三に、本人の反省点に対し、異なる視点からのフィードバックを返すように誘引できることです。
「反省会」から最善の成果を得るためには、それなりに「反省会」慣れしていなくてはなりません。そうでなくても、然るべき手順を踏むだけで、それなりの効能はあるでしょう。最低限必要なのは、各参加者の謙虚な姿勢と、相互への信頼。過大なプライドは不要です。