「馬場講座で説かれたシナリオ構成」は、「TORG型シーン制」での運用に向いていますが、「場面」概念を中心とした時空間処理や「FEAR型シーン制」でも楽しむことができます。A.V.O.N.ではあえて、これらと異なる、新しい遊び方を示します。
A.V.O.N.で推奨する遊び方は、シナリオを「シーン」の集まりとして作成し、各「シーン」を「場札」や「伏札」によってプレイヤーに示しながらゲームプレイを進める、というものです。このような遊び方を、「AVON型シーン制」と名付けます。
「AVON型シーン制」の特徴は、次の三つです。
- シナリオを構成する各「シーン」は、一枚のカードによって表現される
- 複数の「シーン」が示され、プレイヤーがひとつを選択する場合がある
- プレイヤー主導で「シーン」が創られる場合がある (選択ルール)
各「シーン」における運用手順は、次の通りです。
- ゲームマスターは、「手札」か「伏札」から「場札」を出すことで、これから起こりうる「シーン」を示す。「場札」一枚がひとつの「シーン」を表し、スートによってその「場所」「人物」「課題」が象徴される。
- プレイヤーは、「シーン」に自分のキャラクター(PC)を登場させ、その「場所」「人物」「課題」に関わる行動をさせる。然るべき行為判定等に成功すれば、シナリオ上で必要な情報や有利な状況を得る。
- 「シーン」が終わり、その「場所」「人物」「課題」が用済みであれば、ゲームマスターは「場札」を「捨札」に加える。役割が残っているなら「伏札」とすることで、そのことをプレイヤーに暗示する。
ゲームマスターは、一度に二枚以上の「場札」を出すことができます。これは、異なる複数の「シーン」が同時に起こりうることを表します。プレイヤーは、自分のキャラクターをどの「シーン」に登場させるかを決めます。プレイヤー同士で話し合って、手分けしても構いません。誰も登場しない「シーン」もありえます。
またゲームマスターは、「手札」から直接「伏札」を出すことができます。そうすることで、近々示されるべき重要な「シーン」のための「場札」を確保すると共に、それが控えていることをプレイヤーに予告できます。
「プレイヤー主導シーン」については、「選択ルール」として別途記します。