A.V.O.N.は、「馬場秀和のマスターリング講座」で説かれた遊び方を実践するために、鏡がデザインしたゲームシステムです。
そもそも同講座は、「上達を目指す人々のために方法論を提供する」ことを目的として、馬場氏なりの「上達が可能な遊び方」を提示したものです。そのような遊び方をしやすいゲームシステムであることが、A.V.O.N.の基本コンセプトとなります。
以下、講座の各章において特に注目した部分を挙げておきます。
「第1章 システム選択」より
- ヒーロー願望と疑似体験願望とが共に満足され、かつそのバランスがプレイヤーの指向とも合っていること。
- 役割分担が自然と成立するように、キャラクター同士の協力が必須となるようなルールシステムであること。
- 意思決定を助けるように、キャラクターの行動の選択肢を絞るような情報が組み込まれた世界設定であること。
「第2章 シナリオ作成」より
- 三つの目標「ミッション」「PCの動機」「プレイヤーの動機」をバランスよく満足させること。
- シナリオ内のゲーム要素(目的、制限、障害)が明確であること。
- シナリオの構造化として、ハリウッド構成(導入部、展開部、帰結部)、シナリオウェブ(シーン間リンク)。
「第3章 セッション・ハンドリング」より
- スリルと緊張感のための時間管理。
- 成功の段階化により劇的な展開を演出する。
- ダイスの空振りなど、サイコロを使う際のテクニック。
これらの要点は、ルールシステムや世界設定、またゲームプレイ進行の基本形として、システムに組み込むよう努めました。最後のダイス関係の技術は、カードによる判定を採用することで、不要としました。
これらの試みが成功しているか否かは、読者各位のご判断にお任せします。デザイン・コンセプトなど無視しても遊べるのが、本当は一番良いのですけどね。